🗽アメリカの事情その2🇺🇸

「差別その1

 

人間は本来、自分の方が他より優れていると自惚れたい動物だと思います。常に他と比較し、俺はあいつより上だ!などと確認し、優越したいのではないでしょうか。

そこで、「差別」という言葉が登場します。

上から下を見下す。自分が上である事に優越感を持つ。下に置かれた場合は、今に見ておれ!と怒り、発奮します。

自分の方が下という状況には我慢出来ないのです、本心は。

 

教育や環境、心の鍛錬などにより、他と比較せずとも悠々と生きて行ける方々も沢山居られますけれども。

 

「差別」は、世界中何処にでもあります。

日本にもあります。

日本に住む韓国人、朝鮮人、東南アジア人、中近東人、アフリカ人の方々などは、おそらくヨーロッパやアメリカの白人より差別されやすい様に思います。

青い目に金髪だと必要以上に持て囃されたりして、待遇は全然違います。

 

日本の中でも江戸時代に存在した身分制度の悪影響から、えたや非人と呼ばれ低い身分とされた被差別部落民の問題が今なお存在します。

 

ここでは、私の住むアメリカが抱える「差別問題」について触れてみましょう。

人種、民族、宗教、文化、性(男尊女卑など)LGBTQ( レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、そして性自認や、性的指向を決めない、また、マイノリティ全体を繋ぎ止め、連帯へと導く者)、障害者、病気、などなど沢山の差別があります。

アフリカンアメリカンの人々は ( 黒人は差別用語なのでアフリカンアメリカンと呼びます。白人は良いのかな?)、かつて奴隷として動物や物の様に売買されていたので、今も根強い差別があります。

彼らは強制的にアメリカに連れてこられ、奴隷としての生活を余儀なくされたのですから、これほど酷い史実はありません。

奴隷として教育も受けさせて貰えず、貧困でもあったので、奴隷解放の後も彼らの道は険しいものでした。

アファーマティブアクションという、民族や人種や出自による差別と貧困に悩む被差別集団の、進学や就職や職場における昇進において、特別な採用枠の設置や、試験点数の割り増しなどの優遇措置がとられています。

オバマ氏が大統領になられた時、反対派からアファーマティブアクションのおかげで、フェアではないと批判されました。根強い差別の反映ですね。

 

メキシコ人など南米からの移民人口が急増し、今ではアフリカンアメリカンの人口を上回って、ラティノ( ラテン系) アメリカンの人口はアメリカ第2位です。アメリカ人がしない様な過酷な重労働が必要な時、南米から不法移民を安い賃金で不法に雇ったので、アメリカ生まれの彼らの子供達は合法的にアメリカ国民となるけれど、両親はいまだに不法移民のままなので、見つかれば自国へ強制送還され、家族が離れ離れとなる悲劇に恐れおののいてひっそりと暮らしているラティノの家族は沢山あります。

トランプ大統領の所有するトランプタワーやホテルで、不法移民を安い賃金でメイドなどに使っているという皮肉も言われています。

不法移民である事の弱味につけこんで、賃金を支払わない雇い主もある様です。

トランプ氏は南米からの移民はもう要らない、アメリカに来て欲しくない、とメキシコとの境界にもっと強固な壁を作り、その費用はメキシコに払わせると発言し、議論をかもした事もありました。

命がけで国境を越え、より良い生活や子供達の将来への希望を求めてアメリカにやって来るラティノ達は毎日後を絶たず、彼らの扱いについても問題が山積みです。

 

「差別」の問題は非常に大きいので、今回はもうひとつだけ例を取り上げるに留めて、その他は次回に「差別その2」としてお話し致しますね。

 

さて、太平洋戦争の発端となったと言われている( これに関しては様々な意見がありますが) 日本海軍によるハワイのパールハーバー攻撃の後、「Remember! Pearl Harbor!」のスローガンの元、強い半日感情が沸き起こり、ルーズベルト大統領とアメリカ国民は一体となり硬く結束しました。

西海岸に住む日系アメリカ人達は、家も財産もビジネスも全て奪われ、トランク2つの持ち物だけ許されて、内陸部の辺鄙な土地に建てられた強制収容所に収監されました。

日本から移民して、アメリカ人がしない過酷な労働に耐え、苦労して築き上げた全てを没収、又は、足元を見られてアメリカ人達に二束三文で売らねばなりませんでした。只同様です。

暖かい西海岸から、冬寒い内陸部のしかも荒野の真っ只中に急遽建てられた収容所で、プライバシーも無く、シャワーもトイレも並んでせねばならない不自由な生活を強いられました。

収容所には金網が巡らされ、監視塔には銃を持った米兵が配置され、まさに刑務所さながらです。

私の住むアーカンソーにも2箇所インターンメントキャンプ( 強制収容所)がありました。

州都リトルロック市の中央図書館の一部であるバトラーセンターには、これらのキャンプについての様々な記録が保存されています。

元大統領ビル クリントン氏は、アーカンソー州知事時代に、インターンメントキャンプについての記録収集と保存に尽力されました。

去年、キャンプについてのイベントがあった時、クリントン元大統領も招待されておられ、私は偶然にも彼とご一緒に写真を撮りました。ご覧下さい。

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ビルと私 (#^.^#)



インターンメントキャンプについては数々の著書や、例えば歴史小説「Allegiance(忠誠)」、ドラマ「二つの祖国」、キャンプで過ごされた俳優ジョージ タケイ氏のドキュメンタリー映画「To Be Takei」、そして音楽曲「Go for Broke- ジェイク シマブク氏のアルバム「アイ ラブ ウクレレ」の収録曲で、当時日系アメリカ人だけで構成され、ヨーロッパ戦線に投入され、枢軸国相手に勇戦敢闘し、その激闘ぶりは、のべ死傷率314%( のべ死傷者数9,486) という数字が示す通り、アメリカ合衆国史上もっとも多くの勲章を受けた部隊としても知られる[442連隊戦闘団]についてのものなど、多数あります。

詳しくは以下のウェブサイトをご覧下さい。

日系人の強制収容:

 

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%B3%BB%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%BC%B7%E5%88%B6%E5%8F%8E%E5%AE%B9

 

 

「差別」の問題は大きく深いです。

次回はネイティブ・アメリカンや宗教による差別などについてお話ししましょう。

歴史を振り返ると、「差別」は醜く、あってはならない恥部と思います。

過去を変える事は出来ませんが、未来は変えられますので、私達一人一人が「差別」を無くし平等に共存出来る様、意識改革と努力をしましょう!